2024年07月19日
東北大、菌糸は電気的シグナルで行動を制御か
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 木材腐朽菌は、森林の土壌中に菌糸のネットワークを広げ、倒木や落枝などを分解しながら森林の物質循環に重要な役割を果たしているが、菌糸がどのように行動を制御しているのかはこれまでよくわかっていなかった。
 東北大学大学院 農学研究科の深澤遊准教授らの研究グループは19日、ナメコと近縁な木材腐朽菌の一つであるPholiota brunnescensの培養菌糸にエサとして木片を与え、木片に菌糸が定着・分解していく過程の電位変化を、菌糸の複数カ所で104日にわたって測定した。その結果、木片が設置された場所の菌糸から菌糸全体へ、電位変化が伝わっていることを確認した。
 また、木片の定着が完了したと考えられる培養60日後からは木片の場所でのみ、7日間周期の電位振動が見られた。この結果は、菌糸が電気的なシグナルで行動を制御していることを示唆している。
 深澤准教授らは同研究成果を7月6日付の科学誌「Scientific Reports」に発表した。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240719_02_signal.pdf