2024年07月19日 |
住友ゴム・阪大、がん細胞吸着樹脂開発へ |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:住友ゴム |
住友ゴム工業は19日、大阪大学大学院の山本浩文教授(医学系研究科)の研究グループと、がんの新たな治療法開発を目指す共同研究に取り組むと発表した。 同社が開発した、血中から特定のがん細胞のみを吸着する特殊ポリマーを採用した「がん細胞吸着キット」を活用して、がん細胞を活性化するメカニズムを解明する。同研究により、がんの症例に合わせた、より適切な治療方法の選択が可能になるとともに、がん新薬の開発や将来的にはがん根治に向けた研究を加速させる。 がんに罹患すると血液中に血中循環がん細胞(CTC:Circulating Tumor Cell) が発生する。だが、がん細胞は血中にごく僅かしか存在しないため、従来法では特定のがん細胞と血液細胞を分離することが難しく、精度の高い治療法には限界があった。 今回、同社が独自開発した吸着キットに使用する特殊ポリマーは、中間水(実験的に存在が示唆されている水の状態の一つ)の働きで特殊ポリマーの硬さを制御することで特定のがん細胞のみを吸着させることが可能となる。さらに、培養したがん細胞を利用することで新薬開発の可能性が広がる。山本教授らの研究グループが進める将来的にがん根治を目指す「ムーンショット計画」の共同研究を加速させていく方針だ。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1721368548.pdf |