2024年07月19日
丸紅、デンマークのバイオ下水処理会社へ出資
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:丸紅

 丸紅は19日、下水処理の過程で発生する下水汚泥などの湿潤バイオマスを乾燥・熱分解し、バイオ炭を生成する技術を有するデンマーク王国のAquaGreen Holding 社株式を第三者割当増資により取得することで合意したと発表した。

 下水処理の過程で排出される有機性廃棄物の下水汚泥は、従来、堆肥または焼却処理後の埋立てによって処理されてきたが、近年は処理費用の高騰や下水汚泥に含まれるPFAS(人工的に作られた化合物の総称)による健康被害への懸念、温室効果ガス排出削減などから、各国で処理方法の見直しが行われている。

 下水汚泥処理技術の一つである乾燥・熱分解技術は、下水汚泥に含まれるPFASやマイクロプラスチック、重金属などの有害物質の除去が可能なうえ、生成したバイオ炭に炭素を固定することでGHG排出削減にもつながる有望な技術とされてきた。だがコスト的に見合わないなどから普及が進まなかった。
 
 AquaGreen社は、補助燃料を使用わずに乾燥・熱分解が可能な技術の開発に世界で初めて成功した。丸紅は今後従来型下水汚泥処理の代替としての普及を目指し、主に日本、アジア、オセアニアへの販売促進を支援していく方針だ。