2024年07月22日 |
気象庁・東大など、暑夏に海洋熱波の影響 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:東京大学 |
気象庁、東京大学、北海道大学の研究チームは22日、北日本で歴代1位となった2023年暑夏の要因について調査した結果、黒潮続流の極端な北上に伴い、北日本近海で海面水温の極端な高温(海洋熱波)が発生したことで下層雲の形成が妨げられて日射が増大したこと、海洋が大気を直接加熱したこと、また、大気中の水蒸気が増えて温室効果が強まったこと、などが影響した可能性が高いと発表した。 近年、海洋生態系や水産業への影響の観点から、海面水温の極端な高温が続く現象「海洋熱波」が注目され、地球温暖化に伴う海洋熱波の頻度や強度の増大が指摘されている。 気象庁の異常気象分析検討会(会長、中村尚・東京大学教授)らが調査した結果、海面水温の極端な高温が続く海洋熱波により、下層雲の形成が妨げられて日射が増大したこと、海洋が大気を直接加熱したこと、大気中の水蒸気が増えて温室効果が強まったことが、北日本の暑夏に大きな影響を与えた可能性が高いことなどがわかった。 今後、地球温暖化の進行に伴い異常高温リスクがさらに高まる中、近海の海洋熱波が地上に与える影響についてさらに研究し、予測精度を高めていくことが求められる。 同調査の成果は、国際学術誌「Scientific Reports」(2024年7月19日)にオンライン公開された。 ◆下層雲 :大気下層の安定度の高い領域で活性する。冷たい海面水温と南方から流れ込む暖かい空気によって安定度が高くなり発生しやすくなる。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240722_pr.pdf |