2024年07月24日 |
千葉大など、トンガ噴火による電離圏共鳴初検出 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
千葉大学大学院工学研究院の大矢浩代助教をはじめ、東北大学、北海道大学、九州大学などによる研究チームは23日、2022年1月15日に発生したフンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の大規模噴火が、下部電離圏に与えた影響についての調査結果を発表した 火山噴火が電離圏に及ぼす影響を理解することで、無線通信の障害やGPS測位の誤差等の予測向上が期待できる。下部電離圏で反射する性質を持つ電波時計に使用されている電波を台湾で受信し、解析した結果、下部電離圏の高度(プラズマ密度)が、ペケリス波による波共鳴効果により、変動していたことが初めて明らかとなった。また、この電離圏の変動がグローバル・サーキットを介して地表の大気電場変動を引き起こしていたことも示唆した。 これらの結果は、大気圏と電離圏との結合の解明のみならず、ペケリス波の特性解明にもつながることが期待される。電離圏は長距離無線通信において重要な役割を果たしており、ペケリス波の特性を理解することで、電離圏の特性や変動を把握し、無線通信の品質や信頼性を向上させることが可能となる。 本研究成果は、2024年7月16日に国際学術誌「 Scientific Reports 」で公開された。 <用語の解説> ◆下部電離圏 :地球の大気中の分子や原子が、紫外線やX線などにより電離した、高度約60~100 km の領域。この領域はプラズマが非常に希薄で通常の電離圏観測手法を使用できず、未解明な点が数多くある。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240723_01_tonga.pdf |