2024年07月29日 |
京大、無秩序なガラスに潜む秩序可視化に成功 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学工学研究科の増野敦信特定教授ら研究グループは、原子配列に秩序が無いと思われていたガラスに潜む秩序を抽出し、可視化することに成功したと発表した。 ガラス製品は日常生活に不可欠だが、それらのガラスに含まれる原子は、緩やかな不規則ネットワーク構造を形成している。これまでは無容器法を用いて、ネットワークを形成しないような組成で、優れた機能をもつガラスの合成に成功してきた。従来のガラス科学の考え方では、これらは「変な」ガラスとなるが、今回研究グループは新たに開発した可視化手法で解析したところ、結晶のように秩序性の高い原子配列であることがわかった。非常に歪んで乱れた原子配列と思われていた「変な」ガラスが、実は一般的なガラスよりもずっと結晶に近い「高秩序ガラス」だったことを明らかにした。 結晶の原子配列から少しずれたことが、ガラス形成を促し、機能発現をもたらしたと考えられる。この発見は、ガラスの新しい形成メカニズムの理解に貢献し、さらなる高機能ガラスの開発につながる。 同成果は、2024年7月23日に国際学術誌「Scripta Materialia」にオンライン掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.t.kyoto-u.ac.jp/ja/research/topics/20240725 |