2002年03月06日
トヨタグループ「ディーゼル排ガス80~90%除去」新システム開発、欧州にモニター車60台
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:トヨタ自動車

 トラックなどのディーゼル車が排出する粒子状物質(PM)の規制が進むなかで、トヨタ自動車と協力会社の日本ガイシ、デンソーの2社が、欧州で3月から実施されるモニター車に排ガス浄化の新システム車(中型セダン「アベンシス」)を納入する。
 
 モニター車への採用がきまったのは、トヨタ自動車、キャタラー社(中川哲社長、静岡県小笠郡)、日本ガイシ、デンソーが共同開発したディーゼルエンジン排ガス浄化システム「DPNR」(ディーゼル・パテキュレート-NOxリダクション・システム)。
 
 DPNRはディーゼルエンジンの排ガスに含まれるPM(パテキュレート・マター、ススなどの粒子状物質)やNOx(窒素酸化物)などの有害物質を同時にかつ連続的に浄化する。DPNR触媒に用いられる多孔質セラミック製の基材となるディーゼル・パテキュレート・フィルターは日本ガイシとデンソーがそれぞれ開発した。
 
 また、この基材にトヨタ自動車とキャタラー社が開発したPM酸化性能をもつNOx吸蔵還元触媒が塗布され、システムに組み込まれる。
 同フィルターは従来から量産されているコージェライト製のフィルターを改良したもので新開発のNOx吸蔵還元触媒と組み合わせて高い浄化性能(浄化率80~90%)を発揮できるように多孔質セラミック材料の気孔率と気孔分布を最適化している。
 
 トヨタ自動車は欧州にDPNRの搭載車をまず60台提供する。わが国では今月5日に中央環境審議会が2005年以降、欧州の基準を上回るNOx排出基準を実施することをきめた。
 
 これは今年10月からの基準の41~50%(PMは75~85%)を削減するという厳しさ。こうしたことから国内でも排ガス対策が急速に進む見通しである。