2024年08月06日 |
北大、タンパク質を超高感度検出、新技術開発 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学 電子科学研究所の三友秀之准教授らの研究グループは5日、タンパク質を超高感度で検出する新技術を開発したと発表した。 ナノメートルサイズの金属構造体を利用して、物質の化学構造に特有のシグナルであるラマン散乱を増強し、分子を同定する手法は表面増強ラマン散乱法として知られている。この方法では、金属ナノ構造体のナノサイズの狭い隙間に入り込んだ分子から発生するシグナルが最も強く、これによって微量分子の高感度検出が可能になる。だが、従来法では、サイズが大きなタンパク質のような生体高分子を狭い隙間に効率的に導入することは困難だった。 今回研究で新たに開発したGFT(ゲルフィルタートラップ)法は、ゲルが膨潤するときに外部から水を吸収する力を利用してタンパク質をゲルの表面に誘導し、ゲルの網目構造によって表面にタンパク質を捕捉する。この方法を三角形プレート状金ナノ粒子の集合体を載せたゲルに適用すると、粒子の間隙にタンパク質が効率良く導入され、超高感度での検出が可能になる。 ナノ構造の分子サイズの狭い隙間にタンパク質を効率良く誘導する技術を新たに開発した。この方法を医療に応用した場合、1滴以下の体液から様々な生体高分子を簡便に検出するシステムの開発に寄与し、生体センシング技術分野で大きな進展が期待される。 なお、同研究成果は、8月2日公開の「ACS Nano」誌(表紙)に掲載された。 (詳細) https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240805_pr.pdf |