2024年08月09日
東北大、慢性不眠が腸疾患悪化の可能性
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学病院消化器内科の正宗淳教授らの研究グループはこのほど、慢性的な不眠が炎症性腸疾患と深い関わりを有することをアンケート調査によって明らかにしたと発表した。
 潰瘍性大腸炎とクローン病に大別される炎症性腸疾患は、慢性の腸炎を起こす病気として知られる。不眠や精神的ストレスなどが病状悪化の一因になるといわれてきたが、実際に確認はできていなかった。

 研究グループは今回、アンケート調査の結果をもとに炎症性腸疾患患者の慢性不眠の有無を評価し、慢性不眠の有無で2群に分けて経過観察を行い、その後の炎症性腸疾患の治療強化を要した割合を比較した。その結果、慢性不眠ををもつ潰瘍性大腸炎患者群は、不眠を有しない群に比べて腸炎の治療強化を必要としている割合が高く、慢性不眠が潰瘍性大腸炎の増悪に関与している可能性が示唆された。
本研究結果から、慢性不眠を有する潰瘍性大腸炎患者に不眠治療を行うことで腸炎悪化の危険性を低下させられることが期待できる。
本研究結果は7月25日、専門誌「Journal of Crohn's and Colitis」電子版に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240807_02web_sleep.pdf