2024年08月21日 |
東大、マントルの底に“化学的貯蔵庫”発見 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学理学部の廣瀬敬教授を中心とした研究グループは20日、地球マントルの底に隠された地球化学的貯庫を世界で初めて発見したと発表した。北海道大学の同位体顕微鏡を利用して、マグマと鉱物(ブリッジマナイト)の間の微量元素(ランタン、ネオジム、サマリウム、ルテチウム、ハフニウム)の分配係数をマントル深部まで調べた。 同研究により、地球形成時にできたマグマオーシャンがマントル深部で固結していく際、残ったマグマは時間とともに低いハフニウム同位体異常、高いネオジム同位体異常を持つようになることを明らかにした。 結晶化が進んだマグマは鉄を多く含み重いため、マントルの底に溜まり、地表へ上がってくることはないと考えられる。このマグマが「隠された」地球化学的貯蔵庫となっているために、地表で観察されるマントルのハフニウム/ネオジム同位体組成範囲(マントルアレイ)が始原的隕石組成とずれていると考えられる。 マントル全体のハフニウムとネオジム同位体組成は、始原的隕石の値と一致するはずだ。だが、地表で観察されるハフニウム/ネオジム同位体の組成範囲(マントルアレイ)は始原的隕石の組成と食い違っていることが知られている。これは、地表で観測されない「隠された地球化学的貯蔵庫」が地球深部にあることを示唆している。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240820_pr3.pdf |