2024年08月23日
広島大、血清検体用いて新型コロナ抗体価換算式開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:広島大学

 広島大学医学部の田中純子特任教授(疫学・疾病制御学)らの研究グループは23日、広島市医師会などの協力を得て、24,2163人の医療従事者から得た大規模な血清検体を用いて、新型コロナウイルス抗体価換算式を開発したと発表した。
 この換算式を使用することで、あるメーカーの試薬による測定値を他のメーカーの試薬に対応する値に換算し、比較することが可能となった。
 研究では収集した大規模検体に対し、新型コロナウイルスのS抗体定量試薬(5種)を用いた検査および、N抗体定性試薬(3種)を用いた検査を行い、測定系の評価を行った。
 その結果、S抗体価の測定系5種はいずれも相関性が高く、抗体価の換算式が算出可能だった。N 抗体については、感染から数か月経過すると陰性判定となる場合があること、陰性化時期はメーカーにより相違があることが分かった。 今後、新型コロナウイルス抗体検査の標準化や診断・免疫評価の精度向上に寄与すると期待される。
 研究成果は、「Journal of Medical Virology」誌(2024年7月26日)に掲載された。