2024年08月28日 |
九大、ミャンマー原産のイネから害虫に強い遺伝子発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:九州大学 |
九州大学農学部の山形悦透准教授らの研究グループはこのほど、ミャンマー原産のイネから害虫に対する新たな抵抗性遺伝子を発見したと発表した。近年、イネ害虫が進化し、従来の品種改良だけでは太刀打ちできなくなるとの予想もあった。今回発見により虫に強いイネへの品種改良加速が期待される。 研究グループはまず、ゲノムワイド関連解析研究(GWAS)の手法を用いて、ツマグロヨコバイ抵抗性に関係しているゲノム領域を調べた。同国ジーンバンクから選んだ250系統のインドイネ型在来品種の全ゲノム配列を解読し、「多様性パネル」と呼ばれる集団を作成した。それらを分析しツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子GRH6の塩基配列を世界で初めて特定した。 さらに研究グループは、この遺伝子が師管液を吸汁する行動を抑制する効果を持つことを明らかにした。GRH6は植物の病害虫抵抗性遺伝子において広範にみられる遺伝子(NBS-LRR)をコードし、ツマグロヨコバイの吸汁により発現が誘導されることを初めて見出した。ミャンマー在来品種にはGRH6座には7つのハプロタイプが存在し、そのうちミャンマー南部沿岸地域に分布する遺伝子が抵抗性に強く関連すること明らかにした。 本研究成果は日本育種学会の英文誌「Breeding Science」(2024年8月23日)に掲載された。 (詳細) https://www.kyushu-u.ac.jp/f/58640/24_0827_02.pdf |