2024年08月28日
三菱ケミカル、有胞子性乳酸菌の肌への効果確認
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:三菱ケミカルグループ

 三菱ケミカルグループは28日、有胞子性乳酸菌プロバイオティクスであるヘンドリクシア(旧名:ワイツマニア、バチラス)・コアグランス(Heyndrickxia coagulans SANK70258)についてヒト臨床試験を行い、腸内腐敗産物と腸内終末糖化産物を低減し、肌の状態を改善する効果があることを確認したと発表した。同研究成果は2024年7月25日「Nutrition」誌に掲載された。
 腸内では、腸内細菌によってさまざまな物質が産生されている。その中でフェノール類は、血液を介して肌まで届き、肌のターンオーバーを阻害して肌荒れの原因になると報告されている。また、腸内でタンパク質と糖が体温で加熱されて産生されるAGE(終末糖化産物)は、全身に循環・蓄積することで肌の老化を引き起こすとされている。腸内環境の改善は肌の状態を健康に保ち、肌荒れの予防につながると考えられている。

■今回、H・コアグランスを摂取していない人と比べ、以下の改善が認められた。
・腸内腐敗産物の1つであるフェノールの低減
・腸内の代表的なAGEであるカルボキシメチルリジンの低減
・腸内のフェノールの産生菌、CML産生関与菌の低減
・肌の「明るさ」の向上
・額における肌の鱗屑(乾燥した角質)の低減

 以上のことから、H・コアグランスを摂取することによって、腸内細菌叢の変化を介して腸内環境が改善され、肌の明るさや肌の健康維持に影響している可能性が示唆された。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1724819841.pdf