2024年09月06日
海洋研など、小惑星リュウグウの化学進化解明
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:北海道大学

 小惑星リュウグウの化学進化を明らかにしようという、JAMSTEC(国立海洋研究開発機構)、九州大学、北海道大学、産総研など10大学・研究機関で構成される研究グループは6日、リュウグウから採取されたサンプルを複数種類の溶媒で抽出し、始原的なブライン(brine)の化学進化を解明したと発表した。
 
 小惑星リュウグウから採取されたサンプルを複数種類の溶媒で抽出し、始原的なブライン(brine)の組成を明らかにした。水と鉱物との相互作用による溶存イオン成分として、ナトリウムイオン(Na)が最も多く含まれることを明らかにした。
 さらに、小惑星リュウグウのサンプルから見いだした微小な炭酸塩鉱物(ブロイネル石)を単離・同定し、高精度同位体質量分析法によるマグネシウム同位体組成の測定を行うことで、リュウグウに存在した初生的な母岩と水との相互作用(水質変成)の過程で、二次鉱物として炭酸塩が形成されたことを明らかにした。

 今回成果は、地球が誕生する以前の太陽系において物質はどのように存在していたのか、また、地球、そして海水の組成を規定する化学進化を探求する上で重要な知見となる、としている。
 
ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240906_pr.pdf