2024年09月09日
デンカ・大船工場停止、ウイッグ・包装材撤退
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 デンカは9日、同日開催の取締役会で、大船工場(神奈川県鎌倉市)の稼働を2026年3月末かぎりで停止することを決議したと発表した。
 経営計画「Mission2030」に基づくポートフォリオ変革の一環。主力製品である「 Toyokalon 」(塩ビ製ウイッグ)は、シンガポール子会社のDenka Advantech Pte. Ltd. South Plant( DAPL )に事業集約し、包装材の「カラリヤン フィルム」および「カラリヤン テープ」事業からは全面撤退する。

 同工場は1949年に旧東洋化学の塩ビ樹脂加工製品工場としてスタート、1952年には世界に先駆けて塩ビ繊維の工業化に成功し、現在はファッション用ウィッグの原糸として「Toyokalon」を製造している。
 また、1976年にはポリエチレン横延伸フィルム「カラリヤン Yフィルム」および同フィルムを複合した包装用粘着テープ「カラリヤン テープ」を製造するなど、押出成型加工技術と粘着塗工技術を基盤に多くの樹脂加工製品を展開してきた。

 だが、ウイッグの「Toyokalon」は、需要構造の変化や主要販売地域であるアフリカ経済のコロナ禍以降の停滞で需要低下が続いてきた。コスト面でも原料価格の高騰など厳しい環境が続き、今後の事業継続は困難との結論にいたった。工場跡地の利用は今後、売却も含めて検討する。

■大船工場概要
(1) 工場名  デンカ大船工場
(2) 所在地  神奈川県鎌倉市台2-13-1
(3) 操業開始 1949年11月
(4) 工場長  西村英明
(5) 従業員数 (臨時雇用者含む)137名(2024年8月31日現在)
(6) 事業内容 ファッションウィッグ用合成繊維、包装用粘着テープ、 機能性フィルムの開発と製造

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1725854986.pdf