2024年09月12日 |
東北大、桜島噴火に共通の過去のマグマ現象解明 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院 理学研究科地学専攻の新谷直己助教と中村美千彦教授らの研究グループは11日、鹿児島県の桜島火山において人類が記録に残した有史以降に発生した三度の大規模噴火(1471年、1779年、1914年)で噴出した軽石に含まれる鉱物の微細な化学組成を調べたと発表した。その結果、姶良(あいら)カルデラ下の深さ約10 kmのマグマ溜まりから火道の浅部(深さ1~3 km程度)へと上昇したマグマは、約50日程度以上停滞した後に、再び上昇を開始してからは、ごく短時間(動き出してから数日以内)で地表に達していたことがわかった。 今回、過去の大規模噴火に共通したマグマの上昇過程を詳細に明らかにしたことで、前兆現象を引き起こした原因の解明が進み、将来の噴火発生予測技術の向上への貢献が期待される。また、将来もし同様の大規模噴火が起こる場合には、マグマがこのような複雑な動きをする可能性があることも考慮した防災計画をたてておくことが必要だと考えられる。 本成果は、8月27日に地球科学分野の専門誌「Journal of Geophysical Research: Solid Earth」に掲載された。 |