住友化学工業

CHEMNET TOKYO

2024年09月17日
東北大、水から氷/形成過程解明へ新発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学多元物質科学研究所の新家寛正助教らの研究グループは12日、氷と水の界面に生成する両者と混ざらない同素不混和水の厚さが、液/固間の相転移を駆動する圧縮圧力である過加圧の大きさに比例することを発見したと発表した。
 これまで、圧力印加により成長・融解する氷と水の界面に、水と混ざり合わない未知の水である同素不混和水が現れることを発見してきたが、系統的な調査を行ったのは初めて。今回、その動力学の過加圧依存性を調査したところ、過加圧の大きさに応じ、(1) 液滴状の同素不混和水が収縮した後に液膜状のものが収縮し消滅する2段階の過程と(2) 液膜状のものが収縮し消滅する1段階の過程があることを発見した。
 さらに、その厚みは過加圧に比例し、相転移駆動力に対しある決まった応答を示すことを発見した。本成果は、水/氷間の相転移過程解明や水が関わる広範な科学領域に貢献する。
 本成果は9月9日付、国際科学誌「The Journal of Physical Chemistry C 」特集号に招待論文としてオンライン掲載された。

<用語の解説>
◆同素不混和水 :
 東北大・新家助教らの研究グループがこれまでの研究で発見した、圧力を駆動力として成長もしくは融解する氷と水の界面において水から分離して生成する未知の水の総称。一方で、液体不混和とは、水と油のように液体同士が混ざり合わない現象を指す用語である。液体不混和は異なる元素で構成される液体同士で一般的に見られるが、水と未知の水は同じ水であるため、同素体の液体不混和とみなすことができる。そのため、研究グループは未知の水を同素不混和水と命名した。

(詳細)
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240912_01web_water.pdf





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