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2024年09月18日 |
北大、東北地方沖からアオメエソ属3種の稚魚発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学の研究グループは17日、東北地方沖太平洋からアオメエソ属魚類3種の稚魚を発見し、着底に伴う形態的変化の過程を明らかにしたと発表した。 アオメエソ属魚類は「メヒカリ」の名前で流通し、食用として利用されている小型の深海性魚類。日本に分布する最も普通種のアオメエソは沖合底曳き網漁にとって特に重要な漁獲対象種で、2020年度からは水産資源評価の対象種にも指定されている。だが、アオメエソ属の生態的知見は乏しく、仔稚魚の採集例も少ないことから、適切な資源管理のために必要な知見は多くは明らかにされていない。 2022 年と2023年の秋季に東北地方沖太平洋で実施された底曳網調査で、複数のアオメエソ属の稚魚が採集された。今回これらの稚魚のDNAの遺伝情報と形態的特徴を調査した結果、3 種のアオメエソ属(アオメエソ、ツマグロアオメエソ、トモメヒカリ)が含まれていることが分かった。また詳細に観察した結果、アオメエソ属の稚魚は浮遊生活を終えて海底に着底した後に急速にその形態を変化させることが示唆された。本研究の成果、未だ不明点が多いアオメエソ属の今後の研究進展に貢献することが期待される。なお、本研究成果は2024年9月13日付「Fishery Bulletin」誌に掲載された。 ◆アオメエソ属魚類 :日本では一般に「メヒカリ」の名前で流通し食用として利用される小型の深海性魚類で、生鮮時に緑色に光る大きな目が特徴。大陸棚斜面の深海域で特に生物量の多い魚類分類群の一つで、日本の太平洋沿岸域で操業される沖合底曳網漁の重要な漁獲対象となっている。日本には7種のアオメエソ属が分布しており、そのうち最も普通種のアオメエソは2020 年度から水産資源評価の対象種に指定されている。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240917_pr.pdf |