2024年09月25日

北大、水疱性類天疱瘡発症関与、タンパク質解明

【カテゴリー】：ファインケミカル 【関連企業・団体】：北海道大学

北海道大学医学部の氏家英之教授（皮膚科）らと、かずさDNA研究所の研究グループは25日、水疱性類水疱性類天疱瘡の発症に関与するタンパク質を解明、天疱瘡の発症に「IL-5」というサイトカインが関与していることを発見したと発表した。 　水疱性類天疱瘡は全身に水疱を生じる指定難病の一つで、自らの免疫（自己抗体）が皮膚を構成するタンパク質を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患。ステロイドと呼ばれる免疫抑制剤を長期間内服する治療法が確立されているが、本来必要な免疫まで抑制されることによる易感染性や、ステロイドによる各種の副作用（糖尿病、骨粗鬆症など）が大きな問題となっている。 　研究では動物実験により、水疱性類天疱瘡の発病過程で、自己抗体が存在するのみでは皮膚に水疱を発症せず、IL-5というサイトカインの存在が発症に重要な役割を果たすことを突き止めた。また、IL-5の働きを抑えることによって、実験動物に生じた水疱性類天疱瘡の症状を軽減できることも証明した。 　これにより、IL-5を標的とする水疱性類天疱瘡の治療の有効性が示唆され、今後は、より副作用の少ない治療薬の開発が期待される。 　同研究成果は「Journal of Investigative Dermatology」誌（9月24日付）に掲載された。 （詳細） https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240925_pr2.pdf