1999年11月24日
独BASF、高吸水性樹脂事業を拡大~事業買収/新設などで43万トン体制に
原料アクリル酸も最終的に100万トン超へ拡大
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:BASF

 独BASFは、事業買収とプラント新設により高吸水性樹脂(SAP)事業を大幅に拡大する。同社は現在、米AMCOLインターナショナル傘下のケムダール・インターナショナルの事業買収を進める一方、ベルギーとブラジルで新設備の建設を進めている。また原料アクリル酸についても生産能力を拡大する方針で、中国では新設、ブラジルでもブチルアクリレートの新設を進めている。
 ケムダールの買収については、AMCOL社株主や欧米の独占禁止法管轄当局の承認を経て完了する予定。ケムダールは、米ミシシッピー州アバディーン、英バーケンヘッド、タイ・ラヨンに生産拠点を有しており、従業員約380名とともにBASFに売却される。BASFのSAP生産能力は、現在欧米あわせ14万トンだが、ケムダールの事業買収により、30万トン以上の規模に拡大する。
 さらにBASFは、ベルギーのアントワープにおいて、自社技術を採用した年産12万トン設備の建設を進めている。投資額は7,000万ユーロ(約7,300万ドル、約1億4,000万マルク)で、2001年末の稼働を予定している。また新設備稼働にともない、ドイツ・フランクフルトのMainに有している3万5,000トン設備(クラリアントAG所有)と2万5,000トン設備(BASF所有)は、採算性が劣っているため休止する予定。このほかBASFは、先ごろブラジルにおいて7万トン設備の建設を発表しており、最終的には世界全体で43万トン体制を構築する。
 これに対し原料アクリル酸では、プロセス革新により、少額の投資で欧米の生産能力を現在の年産43万トンから53万トンに、NAFTA地域の生産能力を30万トンから36万トンに拡大することができる見通しとなっている。これらの増強は、BASFの特許技術による新しい高性能触媒の採用により実現するもので、需要に見合った同社の必要量を賄う体制が整う。
 さらに同社は、マレーシアのクァンタンでペトロナスとの合弁会社BASFペトロナスケミカルとして、年産16万トン設備の建設を進めており、最終的に生産能力は100万トンを超える見通し。