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2024年10月15日 |
北大「すべすべ」な分子の選択的切断に成功 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学 創成研究機構の辻信弥特任准教授らの研究グループは11日、シクロプロパンを持つ飽和炭化水素化合物の立体選択的開裂反応の開発に成功したと発表した。独自に開発した有機触媒により、選択的切断に成功した。飽和炭化水素化合物は原油の主成分であり、ヘテロ原子や不飽和結合を持たない「すべすべ」な分子。一般的に立体制御することは極めて難しく、これまで成功例はほとんどなかった。 今回、原油の接触分解反応で酸によるC-C結合開裂反応が五配位型カルボニウムイオンを経由して進行することをヒントにして、微小な反応場を持つ不斉有機触媒を用いることで課題を解決した。 研究グループは、触媒のポケット内に酸性度の高い活性部位を仕掛け、シクロプロパンを持つ飽和炭化水素化合物が、狙った通りの反応を起こす向きに制限して回転するよう設計することで、プロトン化による選択的な開裂反応に成功し、その結果、付加価値の高いアルケンへと変換することに成功した。 計算化学による詳細な解析の結果、予想通りの高い選択性により、シクロプロパンがプロトン化されることで五配位型カルボニウムイオンが触媒ポケット内で生成され、その中間体がロンドン分散力や静電的相互作用といった繊細な分子間相互作用によって緻密に制御されながら反応が進行していることが明らかになった。なお、本研究成果は10月11日公開の「Science」誌に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/241011_pr.pdf |