2024年10月17日

前田建設・帝人、柱梁接合に特別工法

【カテゴリー】：行政/団体 【関連企業・団体】：帝人

前田建設工業（東京都千代田区、前田操治社長）と帝人は17日、鉄筋コンクリート造に用いられるプレストレス技術を木造ラーメン構造に応用した工法を共同で開発し、（一社）日本建築センターから特別工法評定を取得したと発表した。プレストレス技術を木造ラーメン構造に応用した工法が同評定を取得したのは初めて。 　建物の内部に大空間を実現するためには、室内に余分な壁や柱を配置しないラーメン構造が広く採用されている。これには柱と梁を一体化する剛接合が必要だが、剛接合時には柱と梁の接合部に大きな負荷がかかるため、耐力が小さい木造の柱と梁では剛接合が難しい。このため、木造建築で大空間を実現するには、柱梁接合部の耐力や剛性の確保が必要で課題となっていた。 　前田建設工業と、炭素繊維を用いた高機能繊維強化集成材「LIVELY WOOD」を開発した帝人は今回、新しい工法を共同開発した。 　新工法は、柱と梁の間に接合用の金物を配置し、プレストレス技術を用いて柱・接合金物・梁を一体化することで、従来の木造建築における柱梁接合部よりも大幅に耐力を向上させた。また、木材は鋼材に比べて靭性が低いため、大地震の発生時などに柱や梁の損傷が懸念される。このため柱梁接合部に接合金物を配置し、柱や梁の木材部分を損傷させず鉄骨造と同等の高い靭性を実現した。 　本工法では、柱と梁にスギなどの一般的な国産集成材を使用しているが、今回取得した評定では幅12m、高さ5mという大きな室内空間を確保した条件で審査を通過している。また、評定を取得した条件下で、従来の木造ラーメン構造を比較したところ、本工法では使用する木材の断面積を35％小さくできることがわかった。 　　 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1729141285.pdf