1999年11月19日
VEC首脳会見、「原料高なお続けば2次値上げも」
需要は順調に回復「今のペース当分続く」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:信越化学工業、東ソー、塩ビ工業・環境協会

 VEC(塩ビ工業・環境協会)の金川千尋会長(信越化学工業社長)、古田武(鐘淵化学工業社長)、田代圓(東ソー社長)の両副会長は19日定例会見し、塩ビ業界が当面している問題について、それぞれ語った。この中で塩ビの最近の需要動向について「全体的に需要の回復は順調といえる。日本経済の立ち直りの中で、塩ビの需要も今のペースを維持できると思う」と、明るさを取り戻しつつある点を強調。また、海外で原油、ナフサ価格が急騰していることに対しては、「これ以上原料価格上昇が続けば、当然コスト圧迫要因となる。2次値上げの議論も各社の内部で出てくるのではないかと」と、再値上げも視野にいれた販売戦略を考えていることを示唆した。
 首脳各氏の主な発言内容は以下の通り。
〓塩ビの需要は、日本の景気全体が立ち直りつつある中で、順調に回復してきている。住宅産業を支えに、他の分野も堅調といってよい。10月は輸出が落ち込んだが、去年の輸出が大きかったためで、今のペースより落ち込むことはないだろう。来年1,2月の東南アジア市場がどうか、2000年問題がらみで、出荷や在庫管理に影響がでなければいいがと懸念しているが、今のところ問題はなさそうだ。
〓海外では原油、ナフサ価格が高騰し、ナフサはトン250ドルの声もきかれている。円換算すると、キロリットル2万円を超える。樹脂メーカー各社はおそらく1万8,000円位を想定して予算を立てていたと思う。ナフサだけでなくEDCなどの市況も上昇してきている。今は原料価格動向を見守っているところだが、これ以上コスト圧迫要因が続けば社内でも2次値上げの声が出てくるのではないか。
〓環境対策には引き続き真剣に取り組んでいる。ダイオキシンでは対策特別措置法が公布されたが、規制値を超えないよう工場ごとに自主的かつ入念に対策を講じている。リサイクル対策も進み、来年1月にはNKK川崎工場に年間処理能力5,000トンの高炉還元設備が稼動する。十分な成果を期待している。