1999年11月19日 |
独バイエル、アジア地域の樹脂事業を拡大~2005年までに10億ドル投資 |
PC4万トンが稼働したタイと中国で25万トン体制確立 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:バイエル |
独バイエルはタイ現地時間の18日、アジア地域におけるプラスチック事業拡大のため、2005年までにアジアで10億ドルを投資する、と発表した。具体的にはこのほどマプタプットで年産4万トンのPC(ポリカーボネート)生産設備が稼働したタイ、および先日上海クロルアルカリとのPC合弁事業計画を発表した中国の2拠点でPC25万トン体制を確立するほか、インドのバイエルABSの増強、PCブレンドおよびシート生産拠点の新設などを行う方針。 当初タイにおけるPC新設プロジェクトは、4万トン設備を2期に渡り建設する計画であったが、今回これを2001年までに12万トンに拡大する計画に改めた。また現在建設中の原料BPA(ビスフェノールA)生産能力も16万トンに決定、これらをあわせた同社のタイ向け投資額は4億ドルとなる。 バイエルはタイで高分子材料事業の一大生産拠点構築を目指しているが、第2の拠点として中国にターゲットを定めた。同社は、PCの成長率を年率10~15%と見ており、今月4日、上海クロルアルカリとの間で4億5,000万ドルを投じて年産5万トンのPCおよび原料BPA生産設備を新設する計画を発表した。同計画はフェーズ〓に当たり、2003年前後の稼働を予定している。フェーズ〓以降の計画は明らかにしていないが、同社はアジアで2005年までにPC25万トン体制を確立するとしており、タイの12万トンに加え、中国で13万トンのPCを生産する見通し。 これらの結果、同社のPC生産能力は世界全体で2005年までに85万5,000トンに拡大、現在明らかとなっている計画ベースでは米GEプラスチックスを抜き、世界最大のPCメーカーとなる。 さらにバイエルはABS樹脂の生産体制も強化する。現在同社は、アジア地域において事業買収によりタイとインドでABS樹脂を生産しているが、現在インドのバイエルABSの設備を増強、AS樹脂との合計で5万トンに引き上げる考え。バイエルとGEは、OA機器などのハウジング向けで需要が急速に拡大しているPC/ABSポリマーアロイでも激しく争っており、同事業拡大のためPCだけでなくABS樹脂の体制を強化する。またこれにともないPCブレンド設備や透明PCシートの生産拠点設置も検討しており、PC事業ではアジア地域で30%のシェア獲得を目指す。 http://www.c-nt.co.jp/news/bayer_pc.html" target=top>バイエルグループのポリカーボネート生産体制 http://www.c-nt.co.jp/news/bayer_abs.html" target=top>バイエルグループのABS樹脂生産体制 |