住友化学工業

CHEMNET TOKYO

2024年11月07日
北大、N2O還元能を持つ好熱菌の新種発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学大学院水産科学研究院の美野さやか助教をはじめ日米研究グループは6日、沖縄トラフ深海底熱水活動域から分離された亜酸化窒素(N2O)還元細菌の経時的なトランスクリプトーム解析により、高効率なN2O還元活性を支える遺伝子発現プロファイルを明らかしたと発表した。深海底熱水孔環境から高い亜酸化窒素(N2O)還元能を持つ新種細菌を発見した。

 N2Oは二酸化炭素、メタンに次ぐ温室効果ガスで、オゾン層破壊物質として知られ、その削減が強く求められている。自然界において強いN2O還元活性を示す微生物資源の発掘が待たれている。

 研究グループは今回、沖縄トラフ深海底熱水活動域から新規の好熱性細菌(HRV44T株)を分離し、近縁種よりもN2OをN2へ還元する能力が高いことを見出した。さらに、少量のRNAからでも実施可能な遺伝子発現解析手法を構築し、経時的かつゲノムワイドな遺伝子発現解析を行った。その結果、同菌がN2O非存在下でも高いレベルで脱窒に関わる遺伝子を発現させていることを明らかにした。
 これらの研究成果は、N2O還元能を持つ微生物資源を地球環境浄化へ活用するための基礎知見となることが期待される。同研究成果は、9月30日公開のiScience誌に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/2024/11/no-1.html





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