2024年11月11日
東レ、タイPPTとナイロン原料バイオマス量産化
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東レ

 東レは11日、タイの大手石油化学会社、PTT Global Chemical社(本社:バンコク、GC社)と、非可食バイオマスを原料としたアジピン酸(バイオアジピン酸)の量産技術検討に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。
 両社は今後、バイオマス量産化の技術・商業化に向けたFS調査を進める。事業性にめどがつけば、2030年までに数千トン規模のムコン酸およびバイオアジピン酸の商業化を計画する。

 東レとGCは2023年、東レの子会社であるタイ国のCellulosic Biomass Technology 社(CBT)で製造される非可食バイオマス由来の糖を原料に、ナイロン66の原料となるムコン酸とバイオアジピン酸の製造技術を開発し、世界初となるパイロットスケールでの製造に成功した。

 本製造技術では、GCは、独自の発酵技術により、非可食糖を短時間でムコン酸に高収率で変換する。さらに、
東レは、独自の水素化処理プロセスにより、ムコン酸から高純度のバイオアジピン酸を高収率で製造することができる。得られたバイオアジピン酸は、石油由来のアジピン酸と同様に、ナイロン66の原料として樹脂・繊維などに利用できる。また、この製造プロセスでは、アジピン酸を化学合成法で製造する場合に副生物として生成される温室効果ガスの一酸化二窒素(N2O)が発生しない。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1731301234.pdf