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2024年11月14日 |
京大、ペロブスカイト半導体の光機能開拓 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
京都大学 化学研究所の湯本郷助教らの研究グループは14日、室温で強誘電性を示す二次元ハライドペロブスカイトに電場を印加すると、顕著なカイラル光学効果が生じ、それが電場の大きさや向きに応じて連続的・可逆的に制御可能であることを発見したと発表した。 従来は、カイラルな結晶構造を電場により変化させることが困難なため、二次元ナノ材料でこのようなカイラル光学効果の電気的制御に成功した例はなかった。今回、二軸強誘電性を室温で示す二次元ハライドペロブスカイト単結晶を合成し、固体結晶の対称性や強誘電分極方向を第二高調波発生(SHG)の偏光依存性から詳細に決定することができる偏光分解SHGイメージング測定を行った。 試料に電場を印加することにより、カイラルな結晶構造を持たないにも関わらず非線形なカイラル光学効果であるSHG円二色性が顕著に生じ、制御可能であることを発見した。さらにその起源が、二軸強誘電性を反映した二つの直交する強誘電分極を持つドメインが混在するマルチドメイン構造が電場印加により生じ、カイラリティが生じるためであることを解明した。 今回の研究結果は、電場によるカイラリティ制御の新たなアプローチを実証しただけでなく、新奇なナノ光機能の創出やデバイス開発に向けて強誘電二次元ハライドペロブスカイトが有望な材料であることを示した。同研究成果は11月13日、国際学術誌「Science Advances」にオンライン掲載された。 (詳細) https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2024-11/web_2411_ Kanemitsu_Science_Advances-3ebbfb9f05a0a093e45e21b9f175500b.pdf |