2024年12月09日

東大・熊大、おたふくかぜウイルス解明に成果

【カテゴリー】：ファインケミカル 【関連企業・団体】：東京大学

東京大学大学院 医学研究科の竹田誠教授をはじめ熊本大学、九州大学、国立感染症研究所らの研究グループは9日、おたふくかぜウイルスのRNA合成の場である封入体の形成に、グアニン四重鎖構造を持つRNAが重要な役割を持つことを明らかにしたと発表した。 　RNAウイルスであるおたふくかぜウイルスは、細胞に感染すると封入体と呼ばれる膜のない構造体を形成し、そこでウイルスRNAを合成する。封入体は液-液相分離によって形成される液滴と考えられていて、多くのタンパク質や核酸(RNA)が含まれると考えられる。 　今回、Photo-isolation chemistryによって、おたふくかぜウイルスの封入体に取り込まれる宿主RNAを探索したところ、グアニン四重鎖構造を持つRNAが多く含まれることが明らかになった。このグアニン四重鎖構造を持つRNAは、液滴形成実験によって液滴内部の分子を濃縮することが示され、効率よくウイルスRNA合成を行う上で重要な役割を果たしていると考えられる。本研究の成果は、封入体の形成メカニズムの一端を明らかにしたものであり、RNAウイルスのRNA合成機構の解明につながることが期待される。 　同研究成果は12月7日に米国科学雑誌「Science Advances」に掲載された。 （詳細） https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/PR/2024/release_20241207.pdf