2024年12月11日

三菱ケミ、量子コンピュータで連携、実用化へ

【カテゴリー】：行政/団体 【関連企業・団体】：三菱ケミカルグループ

三菱ケミカルグループは11日、量子コンピュータの早期実用化に向けて、デロイト トーマツ グループ（ 東京都千代田区：木村研一CEO ）およびイスラエルのスタートアップ、Classiq Technologiesの両社と連携し、高性能な有機EL材料探索の計算における量子回路圧縮の実証実験に成功したと発表した。2種類ある量子回路のうち、一方で最大97％のアルゴリズム圧縮を実現した。 　 ■実証の成果／量子コンピュータの早期実用化を示唆 　本実証を通じて、2つの量子アルゴリズムの実装形態である2種類の量子回路のうち、一方で最大97％、もう一方で最大54％の圧縮を実現した。 　量子コンピュータでアルゴリズムを実行するには、量子回路という形式で実装する必要があり、回路が長いほど、計算中のエラー発生のリスクが高まる。本実証では、効率的な量子回路設計技術を活用することで、新材料探索時の計算精度向上の可能性が示された。この結果は、化学分野はもとより、本実証で用いた回路圧縮の手法が様々な量子回路に適用できることから、創薬、AI、金融、製造、物流など幅広い分野での量子コンピュータの早期実用化を加速させるものといる。 　近年、量子コンピュータの誤り訂正技術が進展し、量子コンピュータの信頼性が向上することで、より複雑で長い量子アルゴリズムの実行が可能になると想定されている。そのため、量子回路の圧縮は量子コンピュータの実用化に向けてさらに重要な課題となっている。 　3社は今回、量子回路の圧縮が実現すれば、量子コンピュータの化学分野での実用可能性が高まると考え、共同による実証を行った。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1733897410.pdf