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2024年12月25日
南極・昭和基地、高度重力波観測に成功
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東京大学

 国立極地研究所の冨川喜弘准教授を中心とする研究グループは25日、南極・昭和基地でスーパープレッシャー気球と南極昭和基地大型大気レーダー(PANSY)による同時観測を行い、高度18km付近の近慣性周期重力波を捉えることに成功したと発表した。また、大気再解析データとの比較から、最新の数値予報モデルでも重力波を十分に表現できないことを明らかにした。今後も南極上空の重力波観測を継続することで、長期的な気候変動予測の精度向上につながると期待できる。

 大気重力波は、浮力を復元力とする大気波動で、運動量を発生領域から遠く離れた場所へと運ぶことで、その場所の風速や温度を変化させる。重力波の効果は日々の天気を大きく変えるほどではないが、積み重なると地球全体の循環を変化させるため、特に長期的な気候変動を再現・予測するためにはその効果を正しく知る必要がある。しかし、重力波の空間スケールは数 km から数千 km、時間スケールは数分から数十時間と幅広く、全ての
重力波の効果を捉えることは、最新の観測やモデルでも困難だった。

<用語の解説>
◆PANSYレーダー :約1000本のアンテナで構成される南極唯一の大型大気レーダー。2011年に南極昭和基地に設置され、2012年から連続観測を継続している。
◆慣性周期 :地球の自転に伴う空気塊の回転運動の周期。大気重力波の周期の上限でもあり、昭和基地付近では約13時間となっている。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20241225_02_gravity.pdf





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