1999年11月11日
チバSC/独ベアロッハー、マレーシアの添加剤プレブレンド設備竣工
ベアロッハーのセレンバン工場を拡張~プレブレンドを生産
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ

 スイスのチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(チバSC)は11日、独ベアロッハー・グループと、アジア・太平洋地域におけるチバの顧客用に、個別の仕様にあわせたプレブレンド、Ciba PolyAd(チバ ポリアッド)の生産での協力体制を確立した、と発表した。 プレブレンドCiba PolyAd は、ペレット状の多成分パッケージで、合成樹脂メーカーの用いる各種ポリマー用添加剤をあらかじめブレンドし、投入に関する問題の軽減、作業環境の改善、樹脂の品質向上など、メーカーの作業性を向上することができる。
 ベアロッハー・グループは、マレーシア・セレンバン工場を拡張し、210万米ドル(800万マレーシア・リンギット)を超える投資を実施、生産設備を新設した。ベアロッハー・ファーイーストのマルパソ・チェン社長は、「我々の技術は、ヨーロッパ、中東、アフリカ、南米で業界標準を築いてきた。今回、地元の生産設備によるサポート体制も完全に整い、我々の広い経験がアジア・太平洋地域で活かされることは、大きな喜びである」と語った。
 ベアロッハーの新設備は、年間3,000トンのPolyAd プレブレンドの製造が可能。このためチバはアジア・太平洋地域の顧客の需要に対し、従来のオーストラリアと日本の生産拠点に、マレーシアの生産設備が追加されることになる。
 チバSCは、ポリマー用添加剤での広範囲の経験を元に、顧客と協力して、ポリマーの安定化だけでなく、作業性向上の面でも個別のニーズに応えるために、オーダー・メイドのブレンドを開発している。チバのフィリップ・シュレッファー・アジア・太平洋地域ポリマー添加剤担当副社長は、「顧客のニーズに我々の知識と技術を合わせることで、顧客と一緒に、樹脂の品質向上だけでなく、プロセスの効率化を目指したオーダー・メイドのプレブレンドを開発している」と述べた。
 なおベアロッハー・グループは、金属系ステアリン酸塩とPVC用熱安定剤の世界的なメーカーで、ドイツのほかフランス、イタリア、アメリカ、アルゼンチン、ペルー、マレーシアに生産拠点を有しており、年間売上高5億マルク(2億9,400万米ドル)のうち、4%を研究開発に投入している。一方チバの全世界における1998年度売上高は84億スイスフランで、研究開発に3億スイスフランを投入している。