1999年11月11日
BASF、マスターバッチ事業売却へ~染料・顔料事業再編の一環
染料・顔料事業部門は事業絞込みで売上高36億マルク目指す
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:BASF

 独BASFは、染料・顔料事業の再編一環として、マスターバッチ事業を売却する考えを明らかにした。同事業では特殊顔料の調整品の製造販売を行っており、約2億マルク(約130億円)の売り上げがあるが、現在投資銀行の協力で売却先を探している。
 BASFは顔料事業における競争力強化のため、成長の見込める得意分野への集中、拡大、近代化、さらにはグローバル事業センターの確立を目指す。強化策の重要なステップとして、高品質有機顔料の生産販売体制の確立に取り組んでおり、ドイツ本社工場では黄色原料で今年初めに年産1,000トンのキノフタロン製造設備が稼働したほか、2000年第1四半期には同1,200トンのイソインドリン設備の稼働を予定している。
 また印刷インキ用顔料は、中国の上海BASF染料化工有限公司(SBCA)の1万トン設備を中心に生産している。現在の出資比率は91%だが、今後100%子会社化する予定。
 将来的にBASFの染料・顔料事業部門は、繊維用助剤、塗料・プラスチック・印刷インク用顔料、皮革用染料助剤のほか、印刷インクや印刷版などの印刷システムに注力していく方針で、その際には事業全体で年間36億マルク(約2,340億円)の売上高を見込んでいる。