1999年11月08日 |
汎用樹脂の中国輸出、9月もPOが著増 |
両ポリエチレンは累計も前年の40%超え |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
大蔵省の9月の輸入通関統計によると、汎用樹脂の中国向け輸出数量(香港向けを含む)は9月も引き続きポリオレフィン3樹脂が好調であった。特に目を引くのは、LDPEが前年同月の実績を59%上回っている点だ。1月から9月までの累計も前年を48%上回っている。 LDPEのこうした大幅な伸びは、同国の農ポリ需要が例年以上に活発なためと、韓国の樹脂メーカーが中国向け商談を手控える行動に出始めたせいと見られる。韓国の樹脂メーカーの多くは、この夏場から、アジア地域全体の需要が回復し、また国内需要も活発化して市況も上向いてきた点を睨んで、輸出価格を大幅に引き上げる戦略を展開している。こうした中でオッファー価格が依然として低水準にある中国向けを敬遠するところが増えてきており、それがここにきて日本の樹脂各社の受注拡大に結びついてきていると見ることができる。これに伴い同樹脂全体の輸出数量も前年を大幅に上回っている。 これに対してHDPE(高密度ポリエチレン)とPPの9月における中国向け輸出の伸び率はともに4%にとどまっている。このうちのPPの場合は、コポリマーが11%増と好調であった反面、ホモポリマーが2%増に終わったのが響いている。HDPEはこれまでの高率伸長の反動が出たせいと見られる。しかし、累計は41%増とLDPEに次ぐ高い伸び率となっている。 一方、PS(ポリスチレン)とPVC(塩ビ)は9月も引き続き不調であった。値上げの影響もあると見られている。したがって両樹脂とも輸出全体の数量もマイナス成長となっている。各樹脂の9月の対中国向け輸出通関数量は次の通り。かっこ内は前年比。 ▽[LDPE]9月=19,715トン(159%)、1~9月累計=135,711トン(148%)。輸出全体に占める中国向けの比率=9月61%、累計57%。 ▽[HDPE]9月=15,882トン(104%)、累計=117,819トン(141%)。同比率=9月48%、累計49%。 ▽[PP]9月=17,429トン(104%)、累計=152,792トン(115%)。同比率=9月42%、累計44%。 ▽[PS]9月=13,216トン(99%)、累計=110,483トン(85%)。同比率=9月70%、累計66%。 ▽[PVC]9月=51,030トン(79%)、累計=427,152トン(91%)。同比率=9月73%、累計76%。 |