1999年11月04日
旭硝子、韓国電気硝子の過半数株式を買収~Grow政策の一環
ブラウン管用ガラスバルブの世界シェアは25%から35%に拡大
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭硝子

 旭硝子は4日、ブラウン管用ガラスバルブの大手メーカーである韓国電気硝子(以下HEG)の株式および転換社債(403万6,000株相当、持分比率50%+1株)を同社の大株主であるオリオン電気および大宇電子から、2,096億ウォン(約183億円)で買収することで両社と合意、同日ソウル市で株式買収基本契約を締結した、と発表した。
 ブラウン管用ガラスバルブの重量ベース販売量は、ここ数年ブラウン管の大型化ニーズの高まりから、パソコン用モニター、民生用テレビ向け双方で毎年急増している。また旭硝子は、今年6月に発表した中期経営計画「S to G2001」の中で、Grow政策(成長施策)の一つとして、コアであるガラス事業のグローバル展開を強化することを掲げており、ブラウン管用ガラス事業でも一層のグローバル展開を模索していた。こうした状況のもと、韓国の代表的財閥である大宇グループが事業再編の過程でHEGの株式売却を持ちかけ、同事業の拡大を目指す旭硝子の戦略と一致したことから、今回合意に至った。
 HEGは亀尾氏にブラウン管用ガラスパネル(前面ガラス)およびガラスファンネル(後部ガラス)を3工場で生産、ガラスパネルベースで年産約2,500万個の生産能力を有している。旭硝子は、価格競争力があり、かつ需要増が見込める大型品種の製造に必要な生産技術と設備を持っているHEGを連結対象子会社とすることで、グループのブラウン管用ガラスバルブの世界シェアは現在の約25%から約35%に拡大すると見込んでいる。
 旭硝子から見れば、今回の買収により新規投資による時間とコストを節約、また大型バルブの需要増にともなうビジネスチャンスの獲得が可能となり、グローバルレベルでの最適なプロダクト・ミックスが強化される。また世界市場の中でも重要な地位を占める韓国国内において販路を確保、同国市場での事業拡大も可能となる。
 なおHEG社の1998年業績は、売上高4,842億ウォン(約472億円)、経常利益307億円(約29億円)と経営状態は良好。