2002年03月04日
酢エチと酢ビのアジア価格、3月は改善の見通し
セラニーズや昭和電工などが相次ぎ値上げを表明
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工

 低迷していた酢酸エチルと酢酸ビニルのアジア市場の価格が3月納入分から底上げされることが確定的となってきた。
 
 これは、セラニーズ、昭和電工、アジアアセチルズなど有力アセチル企業が相次いで中国をはじめとしたアジア地域のユーザー各社に値上げを通告、これまでにない強腰で交渉に乗り出していることによるもの。
 酢エチの場合は、セラニーズが韓国や中国、さらにはタイなどの需要家各社に対して3月積みからトン当たり50ドル引き上げると通告、続いて昭和電工も子会社「昭和エステリンド・インドネシア」の製品を同じく50ドル値上げすることにして各ユーザーと折衝に入っている。最低でもFOB560ドル、できれば580ドルに改めたいというのが両社に共通した狙い。食品包装材のインキ用やラミネート用などにアジア地域全体の需要が回復し始めたので、各ユーザーを説得できる可能性は高いと見られている。
 一方の酢ビについては、韓国のアジアアセチルズが値上げの先陣を切っている。2月に続いて3月引渡し分も20ドル値上げすることにして各ユーザーと折衝中。これに追従するかたちで昭和電工やセラニーズなども2月末から中国などアジア各国の需要家と3月分の改定交渉に乗り出している。CFRトン当たり30~40ドル上げて570~580ドルに戻すのが各社の計画。主要消費先のポバールの需要が今年に入って回復傾向をたどり始めたことが同製品各社に取っては有利な点といえる。
 なお、酢酸の今年第1・四半期のリストプライスはCFR530ドルで前期並みとなる模様だが、第2・四半期分についてはBPをはじめとした各社が値上げに踏み切る構えにある。