1999年10月29日
大日本インキ、仏トタルフィナのインキ部門を買収
子会社が契約締結~買収額約580億円
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業

 大日本インキ化学工業(DIC)は29日、取締役会においてフランス大手石油会社であるトタルフィナ社のインキ部門(コーツ)の買収を決議し、これにともない100%子会社のサン・ケミカル・グループB.V.がトタルフィナと買収契約を締結した、と発表した。買収額は34億フランス・フラン(約580億円)で、今年12月31日に現金による株式買取で買収を予定している。
 DICグループは、以前からコアビジネスにおけるグローバルベースでの事業展開を積極的に進めてきたが、今回の買収はその戦略の一環として、印刷インキの世界市場での地位強化を図るもの。買収の結果、DICの技術・生産・販売、さらに原料調達など多くの面でシナジー効果を見込んでおり、グループの収益性の向上に大きく貢献すると見ている。
 買収の対象となるのは、トタルフィナのインキ部門であるコーツ・ブラザース(米国)、コーツ・ブラザース(英国)、コーツ・スクリーン・インクス(ドイツ)ほか4社とその関係会社で合計75社、40カ国に及ぶ。事業内容は印刷インキ(フレキソ・グラビア・オフセット・シルクスクリーン)およびデジタル印刷事業となっている。1998年12月期の売上高は約50億フラン(約850億円)で、従業員数は約6,300名。
 なお買収時期(予定)がサン・ケミカル・グループB.V.の決算日である12月31日であるため、今回の買収が当期のDIC連結損益に与える影響はないが、当期の連結総資産については、約758億円(1999年3月期DIC連結純資産の約39%)の増加が見込まれる。また買収の結果、今後は2002年度までに連結売上高は8億3,000万ドル(約872億円)以上、連結営業利益は一億ドル(約105億円)以上の増加を見込んでいる。