1999年10月28日 |
アジアのPVC市況に天井感、日本メーカーの12月輸出価格ステイでの打ち出しも |
原料高騰続く、価格引き下げは困難 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
市況上昇が続いているアジアのPVC(塩化ビニル樹脂)市況だが、ここへ来て天井感が出始めており、日本メーカーのアジア向け12月長期契約輸出価格は、ステイでの打ち出しとなる公算が強まっている。 11月の中国・香港向けPVC輸出価格は、CFR・トン800ドルが実勢で、日本メーカー品は既にソールドアウト状態となっている。12月分の契約については、来月の上旬から開始されことになるが、12月以降は中国市場が米国向けの玩具輸出が一段落することなど不需要期に向かうことから、一段の価格引き上げは困難との見方がされ始めている。 こうした状況から、既に韓国、東南アジアメーカーへの下げ圧力も出始めており、大手日本メーカーではステイでの輸出価格打ち出しとなる可能性が強いとしている。 しかしながら、依然としてナフサなど原料市況は高騰が続いており、現在のEDC(二塩化エチレン)はCFR・トン400ドル弱、VCM(塩ビモノマー)は650ドルが実勢とされている。したがって現在もPVCとVCMのスプレッドは150ドルとなっており、適正とされる200ドルよりも幅が縮小していることから、PVC各社では採算的に値下げは困難としている。 一方、米国の景気が依然として好調に推移していることもあり、アジア市場への玉流入がほとんど無いことも市況上昇の一要因となっている。しかし、年末の期末税対策として行われる米国PVCメーカーの在庫整理の動向次第では、アジア市場への影響も避けられないとして、その動きにも注目が集まっている。 |