2002年03月01日
中外製薬の米子会社ジェン・プローブ社「核酸増幅血液検査」FDA 承認
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:中外製薬

 中外製薬は1日、米国100 %子会社であるジェン・プローブ社(米国カリフォルニア州、ヘンリー L・ノードホフ社長)が開発した、ヒト免疫不全ウイルス1 型(HIV -1 )とC 型肝炎ウイルス(HCV )を同時に検出する核酸増幅検査(NAT )の Biologics License Application(BLA)について、米国食品医薬品局(FDA )から同国内で初めて承認を得たと発表した。

 ジェン・プローブ社は、これまでHIV-1 およびHCV の血液スクリーニング・システム(検出試薬、半自動検出装置および全自動検出装置『TIGRIS 』)の開発を手がけてきた。今回の承認は、その第一ステップとしての半自動検出装置を用いたHIV-1およびHCV の同時検出に対する承認となる。この核酸増幅検査の導入によって、いわゆる「ウィンドウ・ピリオド」として知られる、感染から検出可能となるまでの期間の短縮、安全性の向上が図れるとしている。
 
 HIV -1 /HCV のコンビネーション検査は、ジェン・プローブ社が開発、製造。カイロン・コーポレーションが販売する。ジェン・プローブ社は現在、HIV-1 、HCV に続くB 型肝炎ウイルス(HBV )の核酸増幅検査も開発中という。

 中外製薬は昨年12 月、スイスのF ・ホフマン・ラ・ロシュ社と戦略的アライアンスに関する基本契約を締結した。その中で中外製薬は、ロシュの診断薬事業と競合するジェン・プローブ社を分離することにしたが、中外製薬の株主がジェン・プローブ社の成長性に期待がしている点を考慮し、有償減資によるスピンオフ方法を選択した。今回のFDA の承認は、そうした期待に応えたものとなった。