1999年10月26日
宇部興産、スペインPQM社の1・6ヘキサンジオールと硫安大粒化設備が完成
タイカプロラクタム社でのFSにも着手
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産は26日、スペインの子会社PQM社が建設を進めていた1・6ヘキサンジオールと硫安大粒化設備が完成し、ピケスペイン工業エネルギー省大臣、荒船清彦駐西日本大使ほか関係者が出席して竣工式を開催した、と発表した。
 同社では1・6ヘキサンジオールを宇部ケミカル工場と堺工場で合わせて年産8,500トンの設備をもつが、三番目のプラントとして年産3,000トン設備を重要市場と位置付ける欧州で建設、完工させたもの。
 一方、硫安大粒品は、同社独自技術の硫安大粒結晶化技術を導入して生産するもので、設備能力は年産6万トン。現在、PQM社はスペインにおける硫安生産量の75%を占めており、今回の高付加価値製造設備の新設により、一層事業基盤強化が期待されている。
 なお、両設備の合計投資額は約28億円。
1・6ヘキサンジオール事業は同社の主力製品の一つであるカプロラクタムの関連事業で、コアビジネスであるカプロラクタム事業を一層強固なものとする一方、次世代のコアビジネスとなるファインケミカルズの一つの柱と位置付け、さらに拡大させる方針。
 今回の設備完成により、グローバルサプライヤーとして、旺盛な需要に対する安定供給体制が整い、欧州をはじめ米国その他地域のユーザーへのきめ細かなサービスを行っていくとしている。
 また、1・6ヘキサンジオールから同社の独自技術で製造しているDMC(ジメチルカーボネート)と、合成された高級ウレタン樹脂原料であるPCD(ポリカーボネートジオール)他、既に事業化している誘導品と合わせて多角的な営業活動を行っていく方針。
 なお、東南アジアの生産拠点であるタイカプロラクタム社(TCL)においても、既に同事業のFSに着手しており、早ければ2年以内にも同地域での生産・販売が可能となる見込。