1999年10月22日 |
旭硝子財団、米中2人の学者に晴れの「ブループラネット賞」 |
地球環境問題の解決に貢献のP・R・エーリック、曲格平両博士 |
【カテゴリー】:人事/決算 【関連企業・団体】:旭硝子 |
財団法人・旭硝子財団は22日、東京・帝国ホテルで第8回「ブループラネット賞」の表彰式を行った。地球環境保全に科学技術面で貢献のあった個人や団体に贈る国際賞で、今年は保全生物学を発展させ、地球環境保全のために「人口爆発」に警鐘を鳴らした、米国ポール・R・エーリック博士と、中国に環境保全の法体系を確立し、広大な国土保全に尽くしたことで知られる、同国の曲格平(チュ・グエピン)博士が受賞した。 晴れの表彰式には秋篠宮ご夫妻も出席され、「これからも地球環境保全に尽くしてください」とのお言葉をのべられた。 ポール・R・エーリック博士は、新しい学問体系である保全生物学の構築で知られ、人間活動が生態系に与える影響や、種の絶滅を防止する方策の研究を発展させた。さらに地球環境を悪化させている最大の要因は人口の爆発的増加にあるとし、世界に先がけて人口抑制の必要性を説いてきた。 曲格平博士は、広大な国土をもつ中国で環境の保全と経済発展を両立させるには、法律によって管理していくことが最も効果的であるとし、独自の法体系を確立するとともに、環境保全計画の策定や推進に大きな役割を果たした。 両氏には同財団の古本次郎理事長から賞状とトロフィー、さらに副賞として、それぞれ5000万円が手渡された。 両氏は表彰に先立って記者会見し、次のように語った。 ポール・R・エーリック博士「種の絶滅は、一度始まると逆戻りすることはない。個々の生物ごとではなく全生物を対象にした対策にいまこそ地球規模で、システム的に取り組まないといけない。とくに米国、日本などの大消費国が環境汚染にインパクトを与えていることを知るべきだ」 曲格平博士「中国はいま環境保全面で2つの問題をかかえている。1つは人口が多く、環境に影響を与えていること。しかしこれは、計画出産政策を続けてきたことによって効果を上げつつある。もう1つは基幹産業、重工業の急速な発展による環境汚染だ。このため国は軽工業に比重を移すなど産業構造転換を進めている。環境基準や目標を定め、達成できない工場は閉鎖するなど、厳しい措置をとっている」 |