1999年10月20日 |
東レ、韓国セハン社と合弁会社東レセハン社を設立 |
セハンのポリエステルフィルム/繊維/不織布などの設備を買収 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:東レ |
東レは20日、韓国の大手合成繊維メーカーであるセハン社と合弁で15日に東レセハン社(TSI)を設立した、と発表した。TSIは11月末までにセハンから亀尾第1工場のポリエステル長繊維年産5万トン、同フィルム9万トン、また亀尾第2工場のポリプロピレン/ポリエステル長繊維不織布2万4,000トンの全事業を買収、12月1日から営業開始する。また初期の所要資金約6,000億ウォン(約550億円)を資本金および国際協力銀行からの直接投資と、いわゆる「新宮澤構想」の一環として同行から供与されている韓国産業銀行向け資金に基づくツー・ステップ・ローンなどにより調達する予定。今回の案件は昨年末から日韓で推進されている日韓投資交流強化のための官民合同投資促進協議会の趣旨に沿ったものであり、また「新宮澤構想」具体化の先駆的な大型案件となる。 今回の新会社の設立は、今年6月11日に両社で締結した基本合意に基づくもので、TSIの資本金3,000億ウォン(約270億円)のうち、東レが60%、セハンが40%出資する。本社はソウル特別市で、代表理事会長に東レの中嶋弘隆常務取締役が非常勤として就任、代表理事社長には現セハン代表理事副社長の李泳官(常勤)が就任する。従業員数は焼く80名で、総資産は約6,000億ウォン(約550億円)。また2001年初頭の稼働予定で280億ウォン(約27億円)を投じて、 年産1万トンの最新鋭ポリプロピレン長繊維不織布設備を建設する。 東レは、TSI設立によりポリエステルフィルム事業において、日本、アメリカ、フランス、マレーシアに続いて世界5カ国に生産拠点を構築、続いて予定されている中国・儀化集団公司との合弁会社を含め年産30万トンと世界最大のポリエステルフィルム・メーカーとなる。またポリエステル長繊維事業では、日本、中国、タイ、インドネシアの既存拠点とあわせ年産26万トン、長繊維不織布事業についても増設後には年産4万トンと世界有数のメーカーとなる。 今後ポリエステル長繊維、ポリエステルフィルム、長繊維不織布は、日韓を中心に世界的な成長が見込まれている。特にポリエステル長繊維、ポリエステルフィルムは、世界的な規模で事業再編が進行しつつあるが、東レはさらなる高効率・高収益を目指し、最適な生産・販売体制をグローバルに再構築する「グローバルなビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)」を積極的に推進している。本プロジェクトはこうした世界戦略の一環として、TSIを品質およびコスト競争力をゆうした定番品の生産拠点に位置付け、さらに東レの生産技術と生産管理技術を積極的に導入することでさらなる品質とコスト競争力の向上を図っていく方針。 なおTSIは2000年度に約4,500億ウォン(約430億円)の売上高を見込んでいる。また東レの連結決算に与える影響は、TSIの収益貢献に加えグローバルなBPR推進にともなうグローバル全体事業の利益極大化により、スタート初年度から連結売上高、利益面で大きく貢献すると見ている。 |