1999年10月20日
昭和電工、4Qの酢酸輸出価格30ドル上げの440ドルを打ち出し
需給タイト化、原料価格高騰で一段の採算是正
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は、酢酸の4Q輸出価格を30ドル引き上げてCFR・トン440ドルとする方針を決め、需要家との交渉を開始した。
 3Qの酢酸輸出価格は410ドルと、2Q比で30ドル値上がりし決着しているが、原料価格の高騰などから引き続き採算是正を図るため4Qもさらに30ドルの値上げを行う方針を固めたもの。
 酢酸輸出はPTA(高純度テレフタル酸)向けがほとんどを占めているが、一昨年来のPTA需要・価格の低迷などにより昨年4Qには380ドルまで下落していた。同社でも昨年4Q、今年1Qにそれぞれ30ドルの値上げを打ち出していたものの、ユーザーの抵抗が強く値上げは実現していなかった。
 しかし2Q以降、アジア各国での国内経済の回復などによりポリエステル需要も回復、PTAについても一転して旺盛な引き合いとなっていることから、酢酸需給もタイト化、PTA価格の上昇もあって、3Qにはようやく酢酸の値上げが実現している。
 同社では、こうした需給タイト感、原料価格の高騰もあって精力的な値上げ交渉を進めていくとしている。