1999年10月20日
ポリオレフィン企業、11月も輸出価格を引き上げへ
アジア市場のユーザーの中には厳しい反応も
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:日本ポリオレフィン、日本ポリケム

 日本ポリケム、日本ポリオレフィンなどポリオレフィンメーカーの多くは、ポリオレフィン各樹脂の輸出価格を11月分もさらに引き上げる方針を固めた。上げ幅は今週末までに決定する構えにある。
 わが国のポリオレフィンメーカーによる輸出価格は、この夏場以降とくに大幅な上昇を続けてきている。LDPE(低密度ポリエチレン)、L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)の3樹脂は過去3ヶ月でトン当たり300ドル前後上がっている。PP(ポリプロピレン)のホモポリマーも300ドル近い値上げとなっており、比較的上げ幅が小さいといえるPPのブロックコポリマーも200ドルの上方修正が実現できている。
 これに伴う10月積みのCIF価格の平均は、LDPEが850~870ドル、L-LDPEが800~840ドル、HDPEが900~910ドル、PPのホモポリマーが760~770ドル、コポリマーが720~730ドルーーとなっている。
 これをもう一段引き上げたいとしているわけだが、アジア市場のユーザーのなかには、これ以上の値上げは受け入れがたいとするところも出始めている。各国のプラスチック加工メーカーの中には加工品への転嫁がこれ以上は無理だというところが出てきている。このため、11月の値上げにはこれまでにない苦労が付きまとうことになるとの見方が関係筋には広がっている。