1999年10月19日 |
独バイエル、ドイツで初のバイオ医薬品が臨床試験段階に |
喘息治療に有効な新規物質を研究/発売時には13億DM規模の売上見込む |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:バイエル |
独バイエルは、ドイツ国内では初となるバイオ医薬品が臨床試験の段階を向かえている。これは、喘息治療のための新しい有効物質で、同物質の作用により喘息に関わる気管支の炎症過程で大きな役割を果たすサイトカインの活動が抑制される。 FDA(米国食品医薬品局)は最近、同物質のヒトへの臨床適用に関するバイエルの申請を承認した。同物質は現在、ドイツ・ブッパータールのバイオプラントで試作されており、生産センターでバイオ部門を率いるハンスディートリッヒ・ヘルライン博士は、「当センターにおける現代バイオテクノロジー確立に向けたさらなる一歩」であると述べている。 「アレルギー/喘息・カスケード」を抑制する今回のアプローチは、独ヴュルツブルグ大学のインターロイキン研究の専門家であるワルター・ゼーバルト教授が発見、バイエルは1993年から同教授と共同研究を開始した。その目的は、拮抗因子のインターロイキン-4を生産するための同教授のアプローチを追求、その結果得られる物質の一つを医薬品に組み入れることにある。これは製品の製造に用いる遺伝子工学の手法について生化学、薬理学、プロセス技術の各側面を含む多くの専門分野にわたるプロジェクトであり、ドイツ、米国、日本にあるバイエルの医薬品研究所とヴュルツブルグ大学バイオセンターのゼーバルト教授の研究室が密接に協力している。 臨床試験が成功、完了すれば、2003年末には同製品の承認申請が全世界の関係当局に提出される予定で、バイエルでは発売時の売り上げ規模は最大で13億DM(ドイツマルク)に達すると予想している。 |