1999年10月18日
ポリエチレンの国内出荷がにわかに活発に
値上げを見越しての前倒し需要の発生も作用か
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリエチレン業界筋によると、低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンの国内出荷が9月以降目立って増えてきている。
 両ポリエチレンの9月の国内総出荷量を前年同月に比較すると、前者は7~8%、後者は5%の拡大となった模様。過去数ヶ月の対前年同月比は、低密度ポリエチレンがおおむね5%増、一方の高密度ポリエチレンは1%前後のマイナス成長が続いている。それが9月に入ってともに大きく変化してきたわけで、樹脂メーカーも多くが予想外のことと受け止めている。
 その背景は必ずしもはっきりしていないが、実需の回復もさることながらポリオレフィン各社が8月に相次いで打ち出した値上げ表明が少なからず作用しているのではないかと見られている。つまり、フィルムメーカーなど需要家の間に10月からのレジン値上げが避けられないとの判断が広まり、それによる前倒し需要が発生したことが出荷の急拡大をもたらした大きな要因ではないかとの見方である。
他方、ポリプロピレンの場合はこれまでの伸び率とあまり変わらないようだ。これは、多くの需要家がポリエチレンのユーザーのように前倒し発注する慣習を持っていないからではないかと想定されている。