1999年10月15日
宇部フィルム、多層延伸フィルム「エコソフト」を販売
山口県小野田市に工場が完成
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産の子会社である宇部フィルムは、特殊ポリオレフィンを使用した多層系シュリンクフィルム「エコソフト」について、近く本格販売を開始する。山口県小野田市で建設を進めていた新工場がこのほど完成、供給体制を確立したもので、食品トレー包装用、化粧品・日用品包装用、家庭用ラップフィルムの3タイプをシリーズ化した。
 「エコソフト」は、最近大きな社会問題になっているダイオキシンの発生などがない環境対応型包装用フィルム。宇部興産の特殊ポリオレフィン技術を基本に、宇部興産、日本製鋼所、宇部フィルム3社の共同開発により、フィルムおよびフィルム製造技術を確立したもので、宇部フィルム・小野田工場内で事業化を進めてきた。新工場の生産能力は年産2,000トンで、食品用フィルムのための環境整備にも配慮し、専用の製品用自動倉庫を併設している。
 「エコソフト」のラインアップは、食品トレー包装用シュリンクフィルム「エコソフトFPシリーズ」、化粧品、日用品などの包装用シュリンクフィルム「同GPシリーズ」、家庭用ラップフィルム「食品ラップ:エコソフト」となっている。「FP」は、低温での収縮性、シール性、強度、保湿性、防曇性、透明性、光沢などに優れ、特に指押し回復性の良さが特徴。また「GP」は、高速タイプや半折タイプなど各種のシュリンク包装機に適した品種を揃え、低温での収縮性、シール性、透明性に優れるほか、収縮応力が小さいため高強度でソフト感のあるきれいなパッケージができる。さらに「食品ラップ:エコソフト」は、ポリオレフィン系ラップフィルムとしては耐熱温度が160℃と高く、電子レンジから冷凍保存まで広範な用途に対応可能。従来から販売しているポリエチレンを使った「ポリラップ」に「食品ラップ:エコソフト」を加え、焼却してもダイオキシンや塩素系ガスを発生させない家庭用ラップフィルムとして2種類の品揃えを行った。
 なお宇部フィルムは、すでに食品包装用ストレッチフィルム分野で、「ウベラップTP」を製造販売しており、今回の「エコソフトシリーズ」が加わったことで業務用食品包装フィルムとして、シュリンク包装機、ストレッチ包装機の両方に対応できる体制が整ったことになる。