2002年03月01日
三菱商事と旭化成のアンモニア設備がインドネシアに完成
旭化成は近くAN原料として引き取りを開始
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成、三菱商事

 三菱商事と旭化成が現地資本のKPIと共同投資してインドネシアで進めていた大型アンモニア設備がこのほど完成した。試運転を経て順調に本格操業入りした模様。
 
 同プラントは、カリマンタン島東部のボンタン地区で産出する天然ガスを原料に年間50万トンのアンモニアを製造するためのもの。
 生産されるアンモニアは、三菱商事が極東・東南アジア諸国や豪州の肥料メーカーならびに合繊原料メーカーなどに販売していく一方、旭化成がAN原料用として引き取ることにもなっている。旭化成の引き取り数量は、年間10万トンから15万トンの間となりそう。
 現在旭化成は、水島工場内にナフサのオフガスを原料とする年産32万トン能力のアンモニア製造プラント持っており、製品のほぼ全てを自社のANと硝酸用に自消している。しかし、子会社の韓国・東西石油化学のAN用も含めるとかねてから自給能力が大幅に不足していて、東西石化が必要とするアンモニアは全量他の国から輸入している。
 今回のインドネシアのアンモニア工場の建設に同社が参加することにしたのは、こうしたジレンマを解消したいと考えたから。同設備が本格稼動すると、同社は日・韓両拠点で必要な原料アンモニアについて完全な自給体制を整えることになり、これによって同社のAN事業部門の国際競争力はさらに強化されることになる。なお、インドネシアから引き取る数量のおおむね半分は東西石化に振り向けることになりそう。