1999年10月13日 |
三菱レイヨン、タイのMMAモノマー12月の定修を延期 |
周辺各国からの引き合い好調、安定供給に注力 |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:三菱レイヨン |
三菱レイヨンは、タイにおける初のMMA(メチルメタクリレート)モノマー生産拠点となる「タイMMA」の商業運転を今年4月から開始しているが、周辺各国の需要が好調なことから、当初予定していた12月の約20日間の定修実施を延期、安定供給に勤める方針を決めた。 同設備は今年3月に同国マプタプット工業地帯に年産5万5,000トン設備が完成、4月から本格商業生産入りしていた。しかし5月にはコンビナートにおいて電力系のトラブルが発生、その後フル稼働に至らない状況となっていた。こうしたことから6月以降、小休止を行いながら手直しを行ってきたもので、現在は不都合も解消、需要も好調なことからフル稼働状態となっている。 また、アジア各国での国内経済の立ち直りから、タイ、韓国、中国をはじめとして周辺各国では好調な引き合いが続いており、同社でも予定していた定修を先送りして対応することに決めたもの。 MMAモノマー需要は、一昨年来のアジア経済混乱により低迷が続き、とくに昨年はインドネシアではピーク時の五分の一程度にまで国内需要が落ち込んだとされている。こうした状況の中、アジア市況も軟化が進み、今年1QにはCIF・トン700ドル強となっていた。しかし、春先以降各国での経済状態が好転、引き合いも徐々に回復してきたことから、2Q以降は上昇に転じ、現在は1,000ドルを巡る水準となっている。しかし、ナフサをはじめとする原料価格も高騰していることから、依然として採算的に厳しい状況にあるとしている。 一方、国内においても、定修が相次いでいることから需給タイト感が強まっているが、同社では輸出についても、長契ユーザーを中心としたセールス・アロケーションをしばらくは行っていくことになるとしている。 |