1999年10月13日
PSとABS樹脂、SM価格急騰を受けアジア市況が急上昇
ABS樹脂小売向けはトン1,400ドル台も/国内PSは2次値上げへ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリスチレン(PS)およびABS樹脂は、原料スチレンモノマー(SM)の急騰にともない、アジア市況が急上昇している。特にABS樹脂は、中国国内の一部小売向けでトン当たり1,300~1,400ドルといった価格も飛び出しているのが現状だ。
 現在、PS、ABS樹脂それぞれの市況は、GPPSがCIF香港で850ドル、HIPSが900ドルで、ABS樹脂もメイングレードはほぼ3年ぶりに1,000ドル台にに回復した。また商社筋によると、ABS樹脂は香港や上海近郊などの小売向けでは、1,300~1,400ドルで取引されているという。
 スチレン系樹脂の市況上昇の大きな要因となっているのは、原料SMの高騰である。SMの市況は現在750ドル前後で、先高感が強まっている。ただし、その一方でこれ以上上昇すると原料価格以上の値上がり幅となるため、何らかの形で抑止力が働くと見る声もある。
 ある日本のPSメーカーは、「現在の状況は極めて異常だ。SMおよびPSの海外市況の値上がりは今後3~4ヶ月で沈静化すると思うが、このままでは7月に実施した国内価格の値上げも吹っ飛んでしまう。早急に2次値上げが必要だ」としており、2次値上げの準備を始めた。このため来月中に各社から2次値上げが打ち出される可能性が高まっている。