1999年10月08日 |
SM、アジア市況が急騰~700ドル前後に |
需給タイト背景に今後750ドル台へ |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:日本オキシラン、三井化学、三菱化学 |
スチレンモノマー(SM)のアジア市況が急騰している。第2四半期に韓国、第3四半期には日本で定修が集中、さらに設備トラブルも重なり需給が極めてタイトとなっているためで、6月にはトン当たり400ドル前後であったが現在は700ドル前後まで急上昇、今後も750ドル台まで値上がりすると見られている。 日本では、6月末に三菱化学が鹿島で60日を超える大型定修を実施、日本スチレンモノマーも定修を実施した。さらに9~10月にかけて日本オキシランが定修を実施している。さらに9月後半には西日本を襲った台風の影響で三井化学・宇部スチレン工場が運転をストップ(10月1日に再稼働、同4日から生産開始)したほか、2社がトラブルにより低稼働を強いられている。一方で、中国の旺盛な需要に加え、今春以降は韓国をはじめとしたアジア域内の需要回復が急速に進んでおり、需給バランスは極めてタイトな状況にある。 このため業界内では800ドルまで上昇するという意見も出ている。しかし、現在欧州のCIF価格は750ドル、米国スポット価格もポンド当たり30セントまで上昇しており、「これ以上値上がりすると原料価格を上回るアップ率となるため、何らかの形で抑止力が働く」(市場関係者)ため、アジア市況は少なくとも750ドル前後までは上昇するとの見方が強まっている。 |